第354話好きって言ったら

「スミスさんなら、あそこの角を曲がった先の個室にいらっしゃいます。今すぐ呼んできましょうか?」

マチルダは昔から単刀直入な性格だった。ずっとダークオーダーで鍛えられてきたせいか、社交辞令など誰も教えてくれず、思ったことをそのまま口にしてしまうのだ。

エミリーはマチルダが指さす方向を見たが、反射的に彼女の前進を止めた。「いいわ。聞くにしても、メッセージを送れば済む。まだ忙しいだろうし、邪魔はしないでおきましょう。いったん戻って……」

戻ろうと言い切る前に、エミリーはマチルダが示した方向へ歩いていく人影を目にした。

それは、さきほどの妙な女――ルーシーにほかならなかった。

エミリーは、う...

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